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監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」改正の公表について
日本公認会計士協会より、2019年9月24日に監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の改正が公表されました。
1.本研究報告の概要
本研究報告は、大規模ではないが連結財務諸表を作成している上場会社を対象とした財務諸表監査を想定し、リスク評価及びリスク対応に関連する監査基準委員会報告書の記載事項を可能な限り取り込み、監査計画の局面を中心に具体的な手順、監査調書の様式等について取りまとめたものです。本研究報告により公認会計士の実務の参考に資することが期待されます。
今回、日本公認会計士協会では、下記等の委員会報告書等の改正及び新設に伴い本研究報告を改正しました。
・監査基準委員会報告書250「財務諸表監査における法令の検討」の改正(2018年10月公表)
・監査基準委員会報告書260「監査役等とのコミュニケーション」の改正(2019年2月公表)
・監査報告に関連する監査基準委員会報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」の改正(2019年2月公表)
・監査基準委員会報告書701「独立監査人の監査報告書における監査上の主要な検討事項の報告」の新設(2019年2月公表)
主な改正点は以下のとおりです。
・監査基準委員会報告書250の改正に伴う違法行為関連
監査基準委員会報告書250「財務諸表監査における法令の検討」は、倫理委員会から公表された「違法行為への対応に関する指針」に伴い改正されたものであり、本文でその旨の解説を加えるとともに、様式「財務諸表監査における法令の検討」の見直しを行っています。また、「違法行為への対応に関する指針」において求められている文書化の要求事項に対応するため、様式別紙「倫理規則に基づく違法行為への対応」を新設しています。
・監査報告関連
監査報告に関連する監査基準委員会報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」の改正により、財務報告の枠組みが適正表示の場合の意見形成における留意点が加筆されているため、本文において追加しています。また、監査上の主要な検討事項は2020年3月期の監査より早期適用が始まるため、監査上の主要な検討事項に関連する説明を追加しています。さらに、これら監査基準委員会報告書の改正を反映するため、様式「監査意見の形成」、様式「監査の過程で識別した虚偽表示の評価」及び様式「監査役等とのコミュニケーション」の見直しを行っています。
2.適用時期
監査基準委員会報告書250等の違法行為に関連する改正は2019年4月1日以降開始する事業年度に係る監査から、監査基準委員会報告書701等の監査上の主要な検討事項に関連する改正は2021年3月31日以後終了する事業年度に係る監査から(ただし、2020年3月31日以後終了する事業年度に係る監査から早期適用可)、その他の改正は2020年3月31日以後終了する事業年度に係る監査から、それぞれ適用されます。
なお、本稿は本研究報告の概要を記述したものであり、詳細については下記をご参照ください。
日本公認会計士協会