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実務対応報告公開草案第55号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い(案)」等の公表について
企業会計基準委員会(ASBJ)より、平成30年5月28日に実務対応報告公開草案第55号(実務対応報告第18号の改正案)「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い(案)」等が公表されました。本公開草案は平成30年7月30日まで意見が募集されています。
1.本会計基準等の概要
本公開草案は、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」(以下「実務対応報告第18号」という。)及び実務対応報告第24号「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い」の見直しを行うことを目的として公表されました。
〈公表された会計基準〉
・実務対応報告公開草案第55号(実務対応報告第18号の改正案)「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い(案)」
・実務対応報告公開草案第56号(実務対応報告第24号の改正案)「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い(案)」
連結財務諸表を作成する場合、同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、親会 社及び子会社が採用する会計方針は、原則として統一することが求められますが、「実務対応報告第18号」では、当面の取扱いとして、在外子会社の財務諸表が国際財務報告基準(IFRS)又は米国会計基準に準拠して作成されている場合、及び国内子会社が指定国際会計基準又は修正国際基準に準拠した連結財務諸表を作成した場合、当面の間、それらを連結決算手続上利用できることを定めています。なお、当取扱いを適用する場合、のれんの償却、退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理等の項目については、重要性が乏しい場合を除き、連結決算手続上、当該在外子会社等の会計処理を修正することが要求されます。
「実務対応報告第18号」の改正案である本公開草案では、当面の取扱いを適用する場合の修正事項として、資本性金融商品の公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示する選択をしている場合の組替調整の追加を提案しています。
2.適用時期
平成30年改正実務対応報告は、平成31年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から適用することが提案されています。また、平成30年改正実務対応報告の公表日以後最初に終了する連結会計年度及び四半期連結会計期間からの早期適用もできるとされています。
なお、本稿は本公開草案の概要を記述したものであり、詳細については下記をご参照ください。
企業会計基準委員会(ASBJ)
https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/exposure_draft/y2018/2018-0528.html