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(Japanese only) 監査基準委員会報告書540「会計上の見積りの監査」の改正の公表について
日本公認会計士協会より、2021年2月12日に監査基準委員会報告書540「会計上の見積りの監査」の改正が公表されました。
1.本報告書の概要
会計基準の改訂等により会計上の見積りが複雑化する傾向にある状況下で、会計上の見積りの複雑性への対応が必要である等の指摘がされています。これらを受け、企業会計審議会では改訂監査基準を公表し、会計上の見積りに関し、主に以下の項目について改訂しました。
・会計上の見積りについて、重要な虚偽表示リスクの評価に当たり、固有リスクと統制リスクを分けて評価しなければならない旨を追記
・固有リスクについては、重要な虚偽表示がもたらされる要因を勘案し、虚偽表示が生じる可能性と当該虚偽表示が生じた場合の影響を組み合わせて評価しなければならない旨を追記
・会計上の見積りの合理性を判断するために、経営者が行った見積りの方法を評価するとともに、当該見積りと監査人が行った見積りや実績との比較等により、十分かつ適切な監査証拠を入手しなければならない点を明確化
今回公表された本報告書は、上述の改訂監査基準の内容を反映させるために監査基準委員会報告書を改正するものです。
主な改正点は以下のとおりです。
・「固有リスク要因」という新たな概念の導入、定義の明確化
・リスク評価手続の明確化・詳細化
・注記事項に関する検討手続の充実
・監査調書に記載すべき要求事項の拡大
・職業的専門家としての懐疑心の一層の発揮
・監査役等とのコミュニケーションの必要性の強調
・規模・状況に応じた柔軟な基準適用
2.適用時期
2023年3月決算に係る財務諸表の監査及び2022年9月に終了する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から適用されます。
なお、本稿は本報告書の概要を記述したものであり、詳細については下記をご参照ください。
日本公認会計士協会