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(Japanese only) 「四半期報告書における新型コロナウイルス感染症の影響に関する企業情報の開示について」の公表について

(Japanese only)

金融庁より、2020年7月1日に「四半期報告書における新型コロナウイルス感染症の影響に関する企業情報の開示について」が公表されました。

 


1. 本文書の概要

新型コロナウイルス感染症は、本年4月7日に発出された政府の緊急事態宣言が5月25日に解除されましたが、依然として不確実性が高く、多くの上場企業等の経営環境に大きな影響を与えていると考えられます。このような状況も踏まえ、金融庁では、四半期報告書において今般の感染症の影響に関する企業情報を適時適切に開示することが投資家の投資判断にとって重要と考え、本文書を発出し、「四半期報告書における新型コロナウイルス感染症の影響に関する企業情報の開示」についての周知を図っています。

 

具体的には、「四半期報告書における新型コロナウイルス感染症の影響に関する企業情報の開示」として、「四半期報告書の提出期限」、「財務情報(追加情報)の開示」、「非財務情報(記述情報)の開示」の3つの事項を本文書で公表しています。

 

四半期報告書における新型コロナウイルス感染症の影響に関する企業情報の開示

①四半期報告書の提出期限

・2020年4月20日から2020年9月29日までの期間に提出期限が到来する有価証券報告書、四半期報告書等について、企業側が個別の申請を行わなくとも、その提出期限を一律に9月末まで延長

②財務情報(追加情報)の開示

・新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りについては、企業会計基準委員会の当該議事概要「会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方」(4月10日公表、5月11日追補、6月26日更新)を踏まえ、四半期報告書において、適時適切に投資家へ情報提供することが強く期待される

・新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りの仮定について、その後の経営環境の変化を踏まえ見直しを行った結果として、会計上の見積りに変更が生じた場合には、四半期財務諸表において、当該見積りの変更の影響を反映する必要がある点に留意する

③非財務情報(記述情報)の開示

・四半期報告書における非財務情報(記述情報)では、前事業年度の有価証券報告書における会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について「重要な変更があった場合には、その旨及びその具体的な内容を分かりやすく、かつ、簡潔に記載すること」とされる。ただし、この内容を財務情報である追加情報において開示した場合には、非財務情報の開示ではその旨を記載することによって省略することができる

・会計上の見積り以外においても、「事業等のリスク」における新型コロナウイルス感染症の影響や対応策の変更、「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況」における新型コロナウイルス感染症の影響による経営方針・経営戦略の見直し等、前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更があった場合には、四半期報告書において、当該変更の具体的な内容を記載することが求められる

 

なお、本稿は本文書の概要を記述したものであり、詳細については下記をご参照ください。

金融庁

https://www.fsa.go.jp/news/r2/sonota/20200701.html