Audit Topics
(Japanese only) 会計制度委員会研究報告「インセンティブ報酬の会計処理に関する研究報告」(公開草案)の公表について
日本公認会計士協会より、2018年12月14日に会計制度委員会研究報告「インセンティブ報酬の会計処理に関する研究報告」(公開草案)が公表されました。本公開草案は2019年1月25日まで意見が募集されています。
1.本公開草案の概要
本公開草案は、役員等に対する株式報酬や業績連動報酬(以下、これらをまとめて「インセンティブ報酬」という)に係る会計上の取扱い等について、これまでの日本公認会計士協会における調査・研究の結果及びこれを踏まえた現時点における考えを取りまとめたものです。
〈インセンティブ報酬をめぐる最近の流れ及び会計上の問題〉
「『日本再興戦略』改訂2015」(2015年6月閣議決定)では、我が国企業が国際的に競争力を発揮していくためのコーポレート・ガバナンス強化(改革)の一つの施策として、中長期的に企業価値を向上させることを目的とし、インセンティブ報酬の活用の仕組みづくりを行っていくことを明記しました。これを受け、経済産業省から『コーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会』報告書「コーポレート・ガバナンスの実践~企業価値向上に向けたインセンティブと改革~」(2015年7月)が公表され、既に欧米各国において導入されている新たな株式報酬を導入するための法的な論点が整理されました。また、法律面での課題を解決すべくその検討・整理及びインセンティブ報酬の導入を促進するための税務上の手当てが進められています。インセンティブ報酬の制度の整備に伴い、各企業では同報酬の導入・検討が行われています。
これらの動きに対して、各インセンティブ報酬スキームにおける会計上の取扱いは、一部のものに関して会計基準等で明らかになっている部分はあるものの、多くのスキームに関して、その会計処理は会計基準等において明示されていません。このため、実務的には各社がスキームの実態に合わせて適切な会計処理を行うとともに、監査人も実態を踏まえた会計処理の妥当性を検討していることが想定されています。
〈本公開草案の意義〉
上記の現状を踏まえ、次々と新しいスキームが生み出される現在の事業環境では、会計処理の実情や基本的な考え方を整理することにも、一定の意義があるものと考えられます。そのため、日本公認会計士協会では、役員や従業員に対するインセンティブ報酬の会計上の取扱いについて研究を重ね、「インセンティブ報酬の会計処理に関する研究報告」(公開草案)として公表しました。
なお、本稿は本公開草案の概要を記述したものであり、詳細については下記をご参照ください。
日本公認会計士協会