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日本公認会計士協会による「企業情報開示に関する有用性と信頼性の向上に向けた論点の検討~開示とガバナンスの連動による持続的価値創造サイクルの実現に向けて~(中間報告)」の公表について

日本公認会計士協会より、2020年9月10日に日本公認会計士協会の企業情報開示・ガバナンス検討特別委員会「企業情報開示に関する有用性と信頼性の向上に向けた論点の検討~開示とガバナンスの連動による持続的価値創造サイクルの実現に向けて~(中間報告)」が公表されました。

 


1. 本中間報告の概要

近年、企業におけるESG(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもの)等の非財務情報の開示の重要性が高まっています。これを受け、

自主的な情報開示の書類として統合報告書を発行する企業が増えてきています。また、制度開示書類である有価証券報告書においても、コーポレートガバナンス等に関する記述情報の開示の充実を図る施策が進められています。他方で、非財務情報の開示に関しては、様々な団体によるフレームワーク及び基準等の開発や、これらを周知・推進する取組が進められており、利用者からは、基準の統一化のニーズも聞かれています。

このような背景の下、日本公認会計士協会は、企業情報開示・ガバナンス検討特別委員会を設置し、外部有識者として投資家・社外取締役の参画を得て、改めて企業情報開示の有用性と信頼性の向上に向けた課題の抽出と対応の方向性についての議論を行い、「企業情報開示の有用性と信頼性の向上に向けた課題の抽出と対応に関する提案文書」として当中間報告を公表しました。

 

当中間報告は、具体的には、下記4つの論点について検討しています。

論点

検討内容

開示書類の体系と情報構成

制度開示と自主開示にまたがって多くの開示書類が存在する状況に着目し、これによってどのような課題があるかを整理するとともに、情報利用者が効率的かつ効果的に情報を利用することが可能となるような課題解決のためのアプローチの検討

報告フレームワーク・基準

非財務情報の開示に関する国際的なフレームワーク・基準等について、相互連携、更には統一的な基準の検討に向けた動きが活発化する状況を踏まえ、企業情報開示に係る一貫した基準体系を構築する上での課題や、我が国における議論を深める上での課題についての検討

企業情報開示とコーポレートガバナンスの連動

近年のコーポレートガバナンスにおける取締役会の役割をめぐる議論、そして、企業情報開示について企業の方向性やリスク認識、業績に関する見解を示す文書としての位置付けが強まっていることを踏まえ、企業情報開示に関して取締役会に期待される役割についての検討

信頼性を高める監査・保証

企業情報開示において財務情報と非財務情報の統合的な開示が求められる中、企業情報開示の質の向上に貢献する観点から、監査及び保証がどのような役割を果たすべきかについての検討

 

なお、本稿は本中間報告の概要を記述したものであり、詳細については下記をご参照ください。

日本公認会計士協会

https://jicpa.or.jp/specialized_field/20200910xsw.html