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企業会計審議会による「監査報告書の透明化」の審議について

国際監査・保証基準審議会(IAASB)の定める国際監査基準では、監査報告書の情報価値の向上を目的として、監査報告書において、財務諸表の適正性についての意見表明に加え、監査人が着目した会計監査上のリスクなどを記載する「監査報告書の透明化」(以下、「透明化」)を導入しました。これを受け、欧州やアジアの主要国等において導入が進められており、また、米国でも、「透明化」のための監査基準が公表されました。我が国においても、平成28年9月から「透明化」に関する関係諸団体による意見交換が行われました。

 

この意見交換を踏まえ、金融庁は、平成29年6月26日に『「監査報告書の透明化」について』として意見の取りまとめを公表し、下記の今後の方向性を示しました。

 

『「透明化」の導入が国際的に進められる中で、我が国においても会計監査の透明性向上は重要な課題であり、今後、企業会計審議会において、上記の実務上の課題についての検討を含め、「透明化」について具体的な検討を進めていくことが期待される。その際、実務上の課題を抽出するため、日本公認会計士協会が大手監査法人や監査先企業、その監査役等と必要な連携をして、直近の終了した会計監査を対象に、KAM(Key Audit Matters、監査上の主要な事項)を試行的に作成する。」

(金融庁『「監査報告書の透明化」について』より)

 

これを受け、企業会計審議会では、平成29年10月17日の第38回監査部会より「監査報告書の透明化」に関する審議を開始し、論点整理を行っています。第40回監査部会までに下記の事項等が審議されています。

 

 ・「監査報告書の透明化」の意義・目的及び留意点

 ・諸外国における監査報告書の見直しに対する評価

 ・KAM( Key Audit Matters、監査上の主要な事項)試行の取りまとめ

 ・監査報告書におけるKAMの位置付け

 ・適用範囲・対象

 ・企業による開示との関係

 

なお、本稿は本議事の概要を記述したものであり、詳細については下記をご参照ください。

金融庁

(企業会計審議会第38回監査部会)

http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kigyou/gijiroku/kansa/20171017.html

(企業会計審議会第39回監査部会)

http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kigyou/gijiroku/kansa/20171117.html

(企業会計審議会第40回監査部会)

http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kigyou/gijiroku/kansa/20171219.html