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改正監査基準報告書600「グループ監査における特別な考慮事項」について

日本公認会計士協会より、2023年1月18日に改正監査基準報告書600「グループ監査における特別な考慮事項」が公表されました。

 

1.本報告書の概要

本報告書は、構成単位の監査人が関与する状況を含む、グループ財務諸表の監査(以下「グループ監査」という。)に関して、特に考慮すべき事項を中心に実務上の指針を提供するものです。

 

今回の改正は、2022年4月に国際監査・保証基準審議会から公表された国際監査基準(ISA)600の改訂内容を反映させるものです。

具体的には、主に以下の事項について、見直しが図られました。

(1) 品質管理への積極的な取組み(リスクに基づくアプローチ、グループ監査品質の管理と達成、情報及び人へのアクセス制限、重要性)

(2) グループ監査基準の目的適合性の維持(適用範囲、他の基準との連携、監査調書)

(3) グループ監査人と構成単位の監査人の強固な双方向のコミュニケーションの強調

(4) 職業的懐疑心の重要性の強調

(5) 適用の柔軟性(Scalability)への対応

品質管理への積極的な取組みでは、重要な構成単位の概念が廃止され、監査の作業を実施する構成単位の決定の柔軟性の確保(複数法人やシェアード・サービス・センターを一つの構成単位とする等)とともに、適用指針において、監査の作業を実施する構成単位の決定に影響する要素の例示として、事業単位における資産、負債及び取引の規模並びに内容が含まれました。

 

なお、本改正により監査基準報告書600の名称は、改正前の「グループ監査」から「グループ監査における特別な考慮事項」に変更されました。

 

2.適用時期

2024年4月1日以後開始する事業年度に係る財務諸表の監査及び同日以後開始する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から適用されます。また、公認会計士法上の大規模監査法人以外の監査事務所においては、2024年7月1日以後開始する事業年度に係る財務諸表の監査及び同日以後開始する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から適用されます。

 

なお、本稿は本報告書の概要を記述したものであり、詳細については下記をご参照ください。

日本公認会計士協会

https://jicpa.or.jp/specialized_field/20230118uvq.html