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財務報告内部統制監査基準第1号「財務報告に係る内部統制の監査」改正について

2025年4月1日より、改正財務報告内部統制監査基準第1号「財務報告に係る内部統制の監査」が適用されます。日本公認会計士協会(JICPA)による本改正の主なポイントは以下のとおりです。

 

1.文書構成の変更

「要求事項」と「適用指針」が明確に区分され、用語の定義が独立して配置されたことでより理解しやすくなりました。また、重複する内容が一本化され、不要な記載が削除されることで、文書全体が簡潔に整理されました。さらに、付録の順序や内容も見直され、より適切な形式になっています。

 

2.他の監査人等の利用に関する記載への影響

本改正により、グループ監査に関する規定を記載している監査基準報告書600「グループ監査における特別な考慮事項」の要求事項が内部統制監査にも取り入れられました。また、一体型内部統制報告書の文例のうち、内部統制監査における監査人の責任についての記載内容が改正され、監査基準報告書600「グループ監査における特別な考慮事項」に合わせた記載内容となっています。

 

3.監査意見の根拠に関する記載への影響

倫理規則のうち社会的影響度の高い事業体に適用される要求事項が、財務諸表監査だけでなく内部統制監査にも適用されることが明確化されました。また、一体型内部統制報告書の文例に「社会的影響度の高い事業体の財務諸表監査に適用される規定を含む」という文言が追加され、監査基準報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」に合わせた記載内容となっています。

 

4.適用時期

この改正は、2025年4月1日以降に開始する事業年度の内部統制監査から適用されます。ただし、他の監査人の作業の利用に関する要求事項及び関連改正は、公認会計士法上の大規模監査法人においては2024年4月1日以降に開始する事業年度から適用され、公認会計士法上の大規模監査法人以外の監査事務所においては、2024年7月1日以降に開始する連結会計年度および事業年度に係る内部統制監査から適用されることが明示されています。

 

なお、改正財務報告内部統制監査基準第1号についての詳細は下記をご参照ください。

 

「財務報告内部統制監査基準報告書第1号「財務報告に係る内部統制の監査」の改正」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について | 日本公認会計士協会